正規価格の1/3以下の可能性もコロナでタイムシェアのリセール市場はどうなった?
出典: 新日本建物
新型コロナウイルスはハワイ経済へ大きな打撃をもたらしましたが、ハワイの不動産市場は中間価格が右肩上がりに上昇するなど、好調に推移しています。では、ハワイの「タイムシェア」の市場はどうなっているでしょうか?ヒルトンやアウラニなどのタイムシェアのリセールを行う「くじら俱楽部」の代表、中山孝志さんにお話を伺いました。
コロナ禍で売却の問い合わせと購入希望者が増加
新型コロナウイルスの影響で、ハワイのタイムシェアのリセール市場や、市場価格にはどんな変化がありましたか?
中山さん
『まず日本の観光客がハワイへ来られなくなったため、それに比例してタイムシェアのリセール市場での購入者が減りました。同時に、所有中のタイムシェアの売却を考えていたお客様にとっては、なかなか買い手がつかない状況となってしまいました。しかし、価格を下げてでも売りたいという方もいらっしゃり、割安な物件が多く出るようになってきたことが、コロナ禍での特徴のひとつです。そのため、しばらくすると、米国本土と日本から、値下がりしたタイムシェアを買う方が増えていきましたね』
『それに伴い、売却の問合せも増加しています。今ご自分が所有しているタイムシェアが市場でいくらになるのか、経費を引いた後いくら手元に残るのか、という見積もりの依頼が増えました。さらに、売却中のお客様から、なんとかタイムシェアを手放す方法は無いか、という相談も多くなりました。』
インタビュアー
「割安な価格で購入できる」と購入を考える方と、売却を検討する方と、2つの動きがあったわけですね。
購入希望者は“掘り出し物”を探す方が多い
タイムシェアを所有している方からは、売却についての相談以外に、どんな相談を受けましたか?
中山さん
『新型コロナの感染拡大が始まった2020年3月以降にタイムシェアを購入された方からは、ポイントの有効活用についての相談が多かったです。「いずれ新型コロナは収束する」、「そのうちウィズコロナの世の中になり、ハワイに行ってタイムシェアに滞在できる日が来るだろう」と、前向きに考えている方が多いようです』
これからタイムシェアを購入したいと考えている方からは、どんな相談が多いですか?
中山さん
『現在のコロナ禍でタイムシェアの購入を考えている方は、一般不動産を購入する投資家様と同様に、“お買い得物件”や“掘り出し物”を探している方が多いのが特徴です。通常、ヒルトンのタイムシェアであれば、リセール(中古)相場は正規価格の1/3前後で動いています。しかし、その1/3の価格から、さらに安く買える可能性があることに気付いた方がいて、そのような方からの相談が多く寄せられています』
『タイムシェアでは、ヒルトン等の各リゾート会社が“第一先取特権”という権利を持っています。これはリセール市場において、リゾート会社が直接販売する価格より、非常に低い価格で売却が行われた場合、それ以上安くならないようにするために、リゾート会社が物件を購入できる権利のことです。各リゾート会社がこの第一先取特権を行使し始めると、価格が高くなり、1/3以下の価格では購入できなくなるため、その前に購入するために、第一先取得権がいつ発動される見通しか、という質問が多くあります』
リセール取引価格の鍵を握るのが、「第一先取特権」
新型コロナウイルスと共存する生活はまだしばらく続きそうです。ハワイのタイムシェアのリセール市場は、これからどのように動いていくと予想していますか?
中山さん
『タイムシェアのリセール相場と取引価格に影響を及ぼすのが、前述した各リゾート会社が持っている、“第一先取特権”です。リゾート会社がこの権利の行使を始めると、今まで正規価格の1/3以下の価格で購入できていたものが、1/3以上の価格でないと購入できない市場となってしまいます。そのため、もし掘り出し物や特価と言える価格での購入をお考えであれば、リゾート会社が第一先取特権を行使し始める前に購入するのが良いと思います』
『また、リセールで購入する場合、移転登記手続きやリゾート会社でのID登録などに約半年間もの時間がかかります。ですから、いずれタイムシェアを購入したいとお考えの方は、早めに検討される方が良いかもしれません。今後ハワイで宿泊する際、リセールで購入したタイムシェアの宿泊予約が間に合わず、ホテルで宿泊することになってしまう可能性があるなら、その宿泊費用を購入資金にまわす方が賢明かと思います』
リセール購入の手続きは、日本からリモートでOK
まだ日本とハワイ間の往来は隔離期間が設けられているなど、制限なしに自由にはできません。リセールの物件を購入したい場合、日本からリモートで購入手続きを行うことは可能ですか?
中山さん
『はい、日本からリモートで全ての手続が可能です。契約書等はPDFファイルにして、日本語の要約を付けて、メールでお送りしています。必要に応じて日本語でのサポートも付きます。また、移転登記手付きも郵送で可能ですので、ハワイにいらしていただく必要はありません。頭金はクレジットカードで1,000ドルをお支払いいただき、残金を通常3か月後に海外送金していただきますと、決済完了となります。この方法で、毎月数十名もの方がハワイのタイムシェア物件を購入されています』
まとめ
ただでさえお得なタイムシェアのリセール市場ですが、コロナ禍でさらにお得な物件が出てくる可能性があるようです。ハワイのタイムシェアの購入に興味を持っている方は、今のうちにハワイの不動産会社とリモートでやりとりしながら、良い物件を探してみるといいかもしれません。
中山孝志さん
ハワイ タイムシェアのリセールを専門に行う不動産会社「くじら倶楽部」代表。千葉県出身、ハワイ在住歴26年。タイムシェア開発・販売のコンサルティングに長年携わってきたハワイのタイムシェア業界のエキスパート。
出典:新日本建物 | 公式WEBサイト | 住宅と資産運用 総合不動産デベロッパー
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