ハワイ諸島に広く生息する植物「ナウパカ」。

1〜2㎝程の小さくて白い花びらをつけたかわいらしい花です。

特徴的なのは、その花びらの形。

通常の植物だと、円形に花びらがついているのに対し、ナウパカの花びらは半円形で片側のみ。

海岸地域に生える「ビーチ・ナウパカ（ナウパカ・カハカイ）」と山間部に生える「マウンテン・ナウパカ（ナウパカ・クアヒヴィ）」と生息場所によって大きく2種類に分けられます。

花びらが大きくしっかりとした海側の「ビーチ・ナウパカ」と花びらが小さく華奢で優しいイメージをもつ山側の「マウンテン・ナウパカ」。

半分しか花びらをつけず、完全な形を作らない不思議なこの花には、切ない恋のストーリーがありました。

ナウパカの花にまつわるハワイの恋物語は諸説あり、有名なものを2つご紹介します。

昔、ナウパカという名前の美しいお姫様がいました。

ある日彼女は、平民の漁師の青年である、カウイと恋に落ちます。

しかし、当時のハワイでは身分違いの結婚は許されていなかったため、2人の恋は周りから大反対され、引き離されてしまいます。

諦めきれない2人はカフナ(神官)のところへ行き、祈りました。

しかし、この時、天から激しい雷雨と風が起こり、2人はこの恋が叶わないものだということを悟ります。

ナウパカは自分の髪に付けていた花を2つにちぎり、片方をカウイに渡しました。

カウイは海側へ、ナウパカは山側へと別れ、2人は2度と会うことはありませんでした。

その後、2人はそれぞれが向かった土地に咲く花になったそうです。

その昔、深く愛し合う２人の男女がいました。

片時も離れることなく、幸せに暮らしていた2人でしたが、ある時、火の女神ペレがその男性に一目惚れをしてしまいます。
（前回のオヒアレフア伝説に続き、ペレ様また？！）

男性にアプローチをかけるものの、彼にはすでに愛する恋人がいるということを知ったペレは、嫉妬に怒り狂い、2人にめがけて熱い溶岩を流し込み、男性を海側へ、女性を山側へと離れ離れに押しやってしまいました。

それでも満足いかないペレは、2人を溶岩で焼き殺してしまおうとしましたが、逃げる2人を哀れに思った他の神様たちが、恋人たちをそれぞれ花に変身させて守ってあげたのでした。

引き裂かれた2人は、海と山でそれぞれ半分だけ花びらをつける花となり、

今でもお互いを想い合っているといいます。

ひとつの花がふたつに引き裂かれたかのような形の花びらを持ち、強い想いを抱きながらもやむなく別れることになった恋人たちにまつわる伝説を持つナウパカ。

そこからナウパカには「大切なご縁や情報を引き寄せる強い力がある」ともいわれています。

また、この海と山の2つの花をそれぞれ合わせて1つにしてあげると雨が降る、という言い伝えも！

離れ離れになった恋人たちが、やっと一緒になれた！と喜ぶ嬉し涙だといわれています。

2つに割れたハートのペンダントを合わせるようなイメージ。

「離れた恋人と再会できる」 や 「別れても天国ではまた必ず一緒になれる」などの恋愛成就のおまじないとしても知られているそうです。

さらに、海と山に咲くナウパカを一緒に見た恋人たちは、永遠の愛を約束されるといったお話も！

実は、うらら。

このナウパカのストーリーを、気になる男子（フォトグラファーのT君）から聞きました。

一緒に海に行った時に、ナウパカが咲いていてその時にT君が説明をしてくれたのです。

残念ながら、そんなT君とは最近少し距離があり、切ない状況になっているのですが…泣。

いつか一緒に山のナウパカも見れたらいいな、と思っているのは、ここだけの秘密！

今回も、悲しいけれど、ロマンチックで美しいハワイの恋物語を紹介させていただきました。

海のナウパカは、ワイキキビーチを歩いていると発見できると思うので、ぜひ探してみてください！