こんにちは。ハワイ在住”ウエディング”フォトグラファーのマルです。

ワイキキのホテルや街中、そしてビーチを歩いていると必ず見かけるのがウエディング撮影をしているカップル。ハワイウエディングの人気はとどまるところを知らず、なんと年間約3万組の日本人カップルがハワイウエディング(撮影のみを含む)を行っているそうです。

今回は僕のウエディング撮影の経験から、将来ハワイウエディングを考えている方に、ハワイウエディング撮影を成功させるためのポイントを5つご紹介します。

(Photo/TOMOHITO ISHIMARU)

その1 後悔したくなければカメラマンは指名せよ!

日本人ウエディングカメラマンが不足気味のハワイ。普段はともかく、6月や秋のウエディングシーズンともなるとかなりカメラマンが足りなくなります。その時期になるとこれは仕方のないことかもしれませんが、大手の撮影会社では、まだ経験の浅いカメラマンも駆り出されて前線で撮影していることもあります。
 
もちろんハワイ在住カメラマンのほとんどは上手でして、僕から見ても本当に上手だな〜、すごいな〜と思える人もたくさんいます。が、運悪く経験の浅いカメラマンになってしまうと「あれ!?」という仕上がりになってしまうことも否めません。日本の挙式での写真の方がはるかに良かったと言ってクレームになることもあるようです。

経験豊富なカメラマンとそうでないカメラマンの見分け方があります。それは各撮影会社のホームページを見ればわかります。ホームページにしっかりと名前が出て、その人の作品が見られる「ギャラリー」が設置されているような人は実績が相当あるカメラマンです。

日本人カメラマンでも長い人はずっとハワイにいて撮影しています。そうでない人は1〜2年で日本に帰国する人が多いのです。なぜそのように分かれるかというと、就労ビザの問題です。ハワイに長くいる人は、アメリカ国籍や永住権を持ち、居住しています。そうでない場合、就労ビザの関係から1〜2年程度で帰国せざるをえなくなります。
 
もちろん日本でカメラマン経験を積んでいる人もいるので全員がそうというわけではないですが、僕の経験上短期間で帰るカメラマンは、やはり経験が浅い方が多いです。短期間で来るカメラマンは色々な事情により待遇が抑えられていて、その条件を飲んでまでハワイにくる人は、ハワイに行ってカメラマンとしての経験を積みたい! という人になるでしょう。日本ですでに活躍しているカメラマンが、低い雇用条件でハワイに来るのはレアケースです。

カメラマン指名はお金がかかるところがほとんどです。しかしオフシーズンはともかく、混み合うシーズンに撮影を依頼する場合はホームページに掲載されている各カメラマンのサンプル写真・作風などを参考に、希望カメラマンを決めて早めに指名することをお勧めします。一生に一度の撮影ですから後悔したくないですよね。
 
撮影するロケーションや衣装、リムジンの有無などウエディング写真にお金をかけるポイントはいくつかありますが、僕がアドバイスをするならカメラマン指名はお金を惜しむところではない、となります。

サーフボードを絡めてのハワイらしいウエディングフォト(Photo/TOMOHITO ISHIMARU)

その2 一緒になって作り上げる努力を惜しまない

ウエディングフォトはカメラマンだけで作り上げるものではありません。ヘアメイクさん、アテンドさん、そして主役であるカップルのお二人。みんなでチームになって作品を作るものです。僕らはプロとしてお金を頂いて携わるわけですから当然全力で仕事をします。カメラマンは少しでもよい表情を引き出そうといろいろ盛り上げます。

ところがカップル側、特に男性がやる気がないってパターンがたまにあります。新婦は憧れのハワイウエディングであれやりたい、これやりたいとノリノリ。なのに新郎は、だりぃ〜、うぜぇ〜感がにじみ出ている状態。こっちはお金払ってるんだからなんとかしてくれんだろ、みたいな。。。これがいちばん最悪。以前目撃したのですが(自分の時じゃなくてよかった!)、あまりの新郎のやる気なさについに新婦が泣き出してしまい、それを見たアテンドさんが新郎を一喝! 「あんた新婦の一生に一度の舞台なんだから、スカしてないでちゃんと寄り添ってあげなさいよ! それが男ってもんでしょ!」って。いやぁびっくりしたけどカッコよかったあのアテンドさん。「惚れてまうやろ〜」ってヤツですね。

これは極端な例ですが、ともかくカメラマン任せではなく、自分たちが主役でみんなでひとつのチーム、みたいな気持ちでやってもらうと和やかになって撮影がスムースに、そして楽しい現場になります。楽しい現場になれば、自然とよい写真が増えるわけです。

サンセットはこんな感じのシルエットな写真も狙えます(Photo/TOMOHITO ISHIMARU)

僕がサンセットで一番好きなロケーションはマジックアイランド。秋〜冬は海に太陽が沈む時期なので、さらにドラマチックな写真が撮れます(Photo/TOMOHITO ISHIMARU)

その3 ハワイまで来て照れている場合ではない

とはいえそりゃ照れますよね〜。わかりますよ! 僕も撮られる立場だったら照れますから。教会での挙式はともかく、ビーチとか公園とかハワイの日常シーンにウエディングの格好で飛び込んだら浮くんじゃないかってね。

でもね、照れる必要なんて全然ないんです。なぜならハワイではウエディング撮影は日常茶飯事過ぎて、誰も意識しません。そりゃ日本の普通の公園でウエディング撮影をしたら居合わせたギャラリーにジロジロ見られるでしょう。でもここはハワイ。先に述べたように日本人だけで年間約3万組もこの小さな島でウエディングを挙げる場所です。ウエディングは特別なことでもなんでもないのです。だから周りのことは意識する必要まったくありません。撮っている最中にローカルから「Congratulations! 」と声をかけられたら、サンキューとかマハロ〜と笑顔で答えれば十分です。

照れるとやっぱり表情がぎこちなくなって、写真に出てしまいます。もちろん最初は誰でも緊張します。それは仕方がない。でも少し余裕が出てきたら周りを見てください。ウエディングだからと言って必要以上にあなたを意識している人はいませんよね。ハワイにとってはウエディングは日常の一部。肩の力を抜いてください。

カジュアルな要素を絡まるのも緊張緩和によいかもしれません(PHOTO/TOMOHITO ISHIMARU)

その4 撮影リクエストはぜひ伝えて(←僕の場合)

ハワイで撮りたい写真、ポーズ、アイテム、いろいろありますよね。そんな希望があればカメラマンに伝えることをお勧めします。カメラマンの性格にもよりますが、僕はぜひ伝えて欲しいと思っています。スマホとかにサンプルの写真を入れておいてその場で見せるのも手ですね。普段はこんな写真絶対撮らないなぁと思っても、逆に挑戦意欲が湧いてくるタイプなんですよね、自分の場合はですが。

でもカメラマンによっては、自分のスタイルにこだわりがあって嫌がる可能性もあります。ですので申し込み時か日にちが近くなった段階で「撮って欲しい写真があるのですが希望を伝えてよいですか?」と申し込み窓口に聞いてみるとよいでしょう。ワンクッション入れれば、どんなカメラマンからも嫌がられることはないはず。また冒頭で挙げたようにあなたがカメラマンを指名した場合は、カメラマンも意気に感じて頑張ってくれると思います。

もちろんリクエストは当日の状況やロケーションで撮れないものもあるということを承知してください。それと撮影アイテムを持ってくるのもよいのですが、多すぎるとそのアイテムをこなすだけでエネルギーが削がれてしまい、結局仕上がりからするとマイナスになることもあります。アイテムはせいぜい2、3種類にとどめることをおすすめします。

インスタグラム等で撮りたいイメージを探すのもアリ(PHOTO/TOMOHITO ISHIMARU)

その5 労いだけではない!? カメラマンへのチップについて

ハワイでよく質問されるのがチップに関してです。どんなタイミングでいくらくらい渡すのか、悩む方も少なからずいるようです。煩わしいですが、アメリカの慣習ですので仕方がありません。ウエディングカメラマンのみならず、ワーカーにとっては貴重な収入源ですので忘れないようにしましょう。額の目安としてはウエディング撮影のカメラマンには、1時間程度の撮影で20〜30ドル。お支度からサンセットのように1日かかる場合だと80〜100ドルくらいの方が多いようです。

渡すタイミングは撮影後のお別れのときで大丈夫です。丁寧な方はいわゆる”ポチ袋”にいれてくる方もいますが、チップはお札のままでも失礼ではありません。

チップは良好なサービスに対する労いの意味がありますが、ウエディングカメラマンに渡すチップの場合はそれ以外にも効果があります。それは”仕上げ”です。カメラマンが撮った写真はそのままゲストに送られるわけではありません。数百枚撮った中からセレクトし、明るさや色味を調整、そして背景に写った余計なモノや人を”消す”など、撮影時間と同じくらい手間をかけてパソコンで仕上げ作業を行います。過去にハワイウエディング撮影をした方の中には「撮影したときビーチであれだけ人がいたのに、写真があがってきたら二人だけの世界だった」という感覚を持った方は多いと思いますが、それは仕上げ作業の賜物なのです。

万が一チップをくれない(少ない)からといってカメラマンが仕上げに手を抜くことは少ないでしょう。それはカメラマンとしての評価を下げることにつながるからです。でもチップをはずめばいつも以上に仕上げ作業に気合が入り、写真がより輝きを増すということはあるかもしれません。

ダウンタウンのこちらのお店もウエディングフォトツアーでのリクエストが多いです (Photo/TOMOHITO ISHIMARU)

以上フォトグラファーとしての経験から、ハワイウエディングで抑えたいポイントを5つ紹介しました。将来のカップルの皆さん、素敵なハワイウエディング撮影をする際の参考にしてください。

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フォトグラファーMaru

ハワイ・ワイキキ在住フォトグラファーのTOMOHITO ISHIMARU(石丸智仁)です。
こちらでは”Maru”と呼ばれています。
東京で13年間の出版社カメラマン生活を経てハワイに移住。
現地で日本やローカル向けの雑誌、広告等の撮影をメインに活動しています。
日本の書店に並んでいる女性誌や男性誌のハワイ特集、旅行雑誌、ガイドブックなどで僕の写真が使われていますのでぜひチェックしてみてください。

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