こんにちは。フォトグラファーのマルです。

先週末はオアフ島のディズニーアウラニリゾートに２泊３日でステイしてきました（正式名はアウラニ・ディズニー・リゾート ＆ スパ コオリナ・ハワイ　←長い）。アウラニはディズニー唯一のパーク併設ではない独立したリゾートです。アトラクションこそないものの、ハワイ感満載＆ディズニー演出はここでしか楽しめない独特なもの。ミッキーマウスもドナルドダッグも当然アロハシャツを着ているわけです。ついでにアウラニというのはメッセンジャーという意味だそうで、ハワイの歴史や文化をこのリゾートを通して伝えていく、という意味が込められているそうです。

今までアウラニには何度か雑誌の撮影で来ていますが、毎回モデル撮影ばかりでスケジュールがぎっちり。ドタバタであっという間に時間が経つので、リゾートを楽しむ余裕はまずありません。しかし今回初めてリゾートに宿泊することになったのです。宿泊できるならちょっとは楽しめるかなと。

とはいえ「夢の世界」とは聞こえがよいものの、何かと斜に構える自分の性格。こういう作られたリゾートを素直に楽しむにはまだまだ修行が足りないのか（笑）

「キャラクターブレークファーストが何時から」「◯×のキャラクターが何時にどこに来て一緒に記念写真が撮れる」「どこそこで何時からこんなイベントが始まる」。。。　もうイベントの嵐。そんなのを追いかけると「こりゃ仕事で来たのと変わらんな」というほどに、まぁ忙しい。東京やアメリカ本土のパークよりも圧倒的に各キャラクターに簡単に会えてしまうので、好きな人がシャカリキになるのもわかる気がする。けど僕にしてみればイベントに振り回された感ハンパなく、疲れもかなりのものでした。

しかしそんな一日の最後に、アウラニのとある隠れ演出にやられてしまいました。疲れた体に染みたな〜。

〜ネタバレ注意　アウラニリゾートの素敵な隠れ演出を紹介するので、これからアウラニを楽しむ方はご承知のほどよろしくです〜

その場所はアウラニリゾートで一番海に近いプール、カ・マカ・グロットという洞窟があるプールです。ここはインフィニティエッジのプールとなっていて、プールの向こうに太平洋が見渡せます。ここから眺める夕景もとても綺麗。ジェットスパも併設されているので、体を温めるにも最適です。はい、でもこれは隠れ演出でも何でもないですね〜。それに気がついたのは疲れた体を何気なく水中に沈めた時でした。「ホワ〜」「ククク」「バウバウ」となんとも文字では表現できない音が聞こえてきました。音自体もそれほど大きくないので、　最初は耳鳴りか？　空耳か？　と思いました。でも何度か水中で耳をすますうちに気がついたんです。　そう、それは紛れもなくクジラの鳴き声だ！　と。

どこかに水中スピーカーが設置されていて、水中だけこのクジラの鳴き声が流れるようになっているようです。そんな演出は全く知らなかったから本当にびっくりしました。プールの周りにもそんなことを紹介している案内は全く見当たりませんしね。

僕はハワイに移住する前は東京でスクーバダイビングの雑誌を発行している出版社の水中カメラマンをしていました。なのでリアルなクジラの鳴き声は水中で何度も聞いていました。オアフ島もホエールウオッチングのメッカで、冬になるとザトウクジラが島の周囲に集まります。僕もオアフ島でスクーバダイビングをしていますが、冬の時期にクジラの鳴き声は何度も聞いています。なのでディズニーもそれを受けての演出だと思うのですが、ここは素直に告白しましょう、感動しました！

以前クジラの鳴き声のCDを聞いたことがあるのですが、単に音だけを陸上で聞くと、なんとももの哀しげな薄気味悪い音にしか聞こえませんでした。今回ももちろん人工的に流された鳴き声なのだけど、水の中であの泡音というのでしょうか、独特なノイズの中で聞く鳴き声はまさに本物そっくり。また水中って陸上よりも音の伝わる速度が速いという影響で、水中で音がなっても人間の耳はどの方向から音が鳴っているのかわからないんですね。でも陸では明らかにスピーカーからの方向から音が伝わるのがわかってしまう。どの方向から鳴き声が聞こえてくるのかわからない水中のこの感覚。これもリアル感を高めているのに一役買ってることは間違いない。やっぱりクジラの鳴き声は水の中で聞いてのものなのだなと、改めて思った次第でした。

アウラニリゾートの公式ホームページのこのプールの説明を見ても、この演出のことは一切書かれていません（ググったら一部言及しているサイトはありましたが）。水面上ではそんなことに気がつかないみなさんが、わいわいキャーキャー言いながらプールではしゃいでいるわけです。でも水中に潜るとその騒音が一気に遮断され、そして耳をすますと聞こえてくるのはクジラの鳴き声。一瞬で別世界に行ける。やってくれるな、ディズニー。

そんな発見をして、ひとりニヤニヤしながら何度もクジラの鳴き声を聞くために同じプールで息ごらえ潜水しているおっさんの図。

考えてみればこれは通報されかねないので、次回はほどほどにしようと思います。

TOMOHITO ISHI”MARU”

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