オアフ島北部のビーチ沿いで浸食の被害

ハワイのオアフ島ノースショアは、冬になると高さが数メートル以上にもなる大波が押し寄せてくる地域。世界的なサーフィン大会が行われるなど、サーフィンの名所として知られています。特に「ワイメア」や「パイプライン」は高さ10m近くにもなるビッグウェーブが来ることがあり、サーファーの間では有名な「サーフスポット」として知られています。

ホノルルの中心地とは違ってのどかな街並みが広がり、戸建て住宅を中心とし、「田舎暮らし」という言葉が似合う小さな町です。

そんなノースショアで2022年2月、海面上昇によって海岸沿いの住宅の基礎が浸食され崩壊したことが報告されました。海岸沿いの家に暮らす人やオーナーは、土のうやコンクリートなどで浸食を防ぐため、独自に対策を行っている人がいる一方、自然保護に影響が出ると浸食対策を懸念する声も上がっています。

海岸沿いの住宅を陸地側に移動するという話もありますが、土地の問題や、その費用をだれが負担するのかといったことなどの問題が山積みのため、すぐには解決に至らない可能性が高く、長期的な議論が行われることになるでしょう。

ハワイ全体ですすむ浸食

専門家の報告書によると、オアフ島では2020年と2021年に記録的な海面上昇が観察されたとのこと。実際、観光客が多いワイキキビーチでも、砂浜の浸食が進んでいるため、砂浜を拡張するために毎年のように砂の補充工事が行われています。

2021年の1月~5月にかけて行われた大規模工事では、300万ドル~400万ドル(4億円程)かけて20,000yd²(約15,300㎡)分の砂を同ビーチ沖合1,000ft(約305m)から補充しましたが、高潮などが原因で工事完了後1か月ほどで拡げたビーチの幅が既に狭まっているという報告もあり、5年~10年の間隔で工事が必要と言われています。

今後、ハワイの海岸の約7割が浸食されると予測する専門家もいて、ノースショアに限らず、ハワイ全体の海岸沿いは浸食の危険が迫っていると言えるのかもしれません。

ハワイの不動産を購入するときは

ハワイの不動産の価値は、海やダイヤモンドヘッドを臨む眺望があるか否かで大きく変わります。しかし、海に近い物件は人気が高いですが、長期的な視点で考えると、海岸沿いや海に近い物件は特に、その地域の浸食・洪水状況について、しっかり調べて判断することが重要となるのではないでしょうか。

まとめ

もし、海面上昇がさらに進み、更なる浸水が起きれば、ワイキキの多くのホテルなども被害を受ける可能性が出てきます。温暖化などの気候変動による影響は、ハワイだけでなく世界的な大きな問題のひとつです。ハワイの不動産売買の際は、ぜひ周辺の環境などについて担当エージェントに相談したり、自分で情報を集めたりして、慎重に検討することをおすすめします。

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